ハイチの正式な保健制度は、公衆衛生・人口省(Ministère de la Santé Publique et de la Population、MSPP)が主導し、県保健局と保健区組織(Unités d’Arrondissement de Santé)がサービスを調整します。大きく三段階に分かれています。病床のある場合とない場合の保健センター(Centres de Santé、CS)と地域保健センター(Centres Communautaires de Santé、CCS)は、一般に一次医療と予防を担います。地域基幹病院(Hôpitaux Communautaires de Référence、HCR)と県病院(Hôpitaux Départementaux、HD)は、二次医療と紹介医療を担います。大学病院(Hôpitaux Universitaires、HU)などの専門病院は三次医療を提供します。ハイチの2023年全国施設台帳では、医療施設は1,061か所で、CSが50.61%、診療所とCCSが36.76%、病院が12.6%でした。基礎となるインフラデータの一部は、2017~2018年のEPSSS調査に基づいています。 症状が緊急になる前に利用できるサービスには、定期接種と追加接種、妊産婦健診、産後ケア、家族計画と避妊、栄養スクリーニング、保健教育、結核、HIV、マラリア、コレラの予防・検査・監視などがあります。多目的地域保健員(Agents de Santé Communautaire Polyvalents、ASCP)は、訪問、集会、巡回診療、予防接種会場を通じて地域を支援します。地域の指導者や団体が、利用可能なサービスへの橋渡しをすることもあります。精神保健、生殖・母子保健、子どもの健康、栄養プログラムは、地域やその時点の受入能力に応じて、公立施設、民間提供者、NGO、支援事業が提供することがあります。 治療には、外来診療、母子医療、小児疾患サービス、感染症プログラム、高血圧・糖尿病治療、救急・外傷治療、手術、産科、入院、精神医療、心理社会的支援などがあります。正式な施設には、HUEH、デルマのHôpital Universitaire La Paix、Hôpital Maternité Isaïe Jeanty & Léon Audain、Hôpital Psychiatrique Mars & Kline、Hôpital Sanatorium de Port-au-Prince、カパイシャンのHôpital Universitaire Justinien du Cap-Haïtien、ジャクメルのHôpital Saint Michel de Jacmelがあります。実際の利用可能性は変わるため、可能であれば移動前に現地で確認してください。 緊急時には、通常、最寄りの稼働中のCS、CCS、診療所、巡回診療所を受診し、必要に応じてHCR、HD、大学病院、専門病院へ紹介されます。ASCPなどの地域保健員は、緊急ニーズを見つけ、職務の範囲で基本的な支援をし、紹介を手配して経過観察を支援できます。全国で確実に使える緊急電話番号や救急車サービスは確認されていません。治安、道路状況、燃料、交通、病院の受入能力、紹介時の連絡体制によって、治療に到着するまでの時間が変わります。 マトロンヌ(Matrones)、フンガン(Houngans)、メドサン・フェ(Medsen fey)、ルブトゥー(Rebouteux)などの伝統的な提供者も、ハイチで確認されている医療の担い手です。その役割、能力、法的な効力はさまざまで、全国的な認定や対応範囲は確認されていません。正式な産科や救急医療が必要な場合、それらに置き換えるべきではありません。 治療後のフォローアップには、退院時の指示、下位施設への逆紹介、慢性疾患の経過観察、結核・HIV治療のフォロー、産後・新生児ケア、栄養回復、精神科リハビリ、心理社会的支援などがあります。ASCPの訪問や地域の同行支援は、通院を逃した人を見つける助けになりますが、不安定な治安、距離、物資不足、避難によって継続が中断されることがあります。 全国共通の保険加入要件や一律の受診制限は、根拠が確認されていません。公立、民間、非営利、混合、NGO、プログラム支援施設を利用できますが、資格や利用可能性はサービスや提供者によって異なります。2021年には自己負担が医療支出全体の43.53%を占めました。料金、免除、無料・補助サービスは施設、プログラム、資金提供者によって異なり、全国一律の待ち時間は定められていません。MSPPの看護基準は、保健・社会サービスへのアクセス、患者の選択と意思決定、プライバシー、価値観や信条の尊重、インフォームド・コンセントを認めていますが、実施と執行にはばらつきがあります。HIV検査は、献血時のスクリーニングを除き、同意を要する方針です。患者は一般に、関連する病歴を伝え、必要な場合は同意内容を記録または理解し、臨床・紹介の指示に従い、可能な範囲で再診することが求められます。 母子・生殖医療は、依然として大きなアクセス課題です。2025年12月31日時点で、UNFPA支援の統合サービスは32施設で運営され、全10県に物資が配布され、助産師を含む417人が緊急産科・ジェンダーに基づく暴力へのケア研修を受けました。WHOは2026年、ハイチで約490万人が医療支援を必要としており、入院施設268か所のうち全国で完全に稼働しているのは26%にとどまると報告しました。ポルトープランスでは100施設中37施設が稼働中と報告されました。こうした数値は、県や時期によって利用可能性、安全、継続性が大きく異なる理由を示しています。
ハイチの医療
ハイチの医療は、公立、民間、非営利、NGO支援、伝統的な提供者が担いますが、アクセスやサービスの継続性には地域差があります。一般に、保健センター(Centres de Santé)や地域保健サービスが最初の窓口となり、紹介病院がより複雑な治療を担います。治安、燃料不足、避難、医薬品、交通、施設の受入能力によって、必要なときに医療を受けられるかが左右されます。
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